記録的な猛暑の八月となったが、お盆の京都と舞台とした不思議な物語。
一つ目は女子学生の駅伝での話。
控え選手だった女の子が突然のアクシデントでアンカーとなった。
不安の中で必死に走っていた際、沿道を新選組の姿で一緒に走る姿を見た。
誰も見なかった姿だが、盆の八月に突如現れる不思議な話。
もう一つは盆の休み中に、御所グラウンドで行われる野球大会での話。
盆休みで人数がそろわない中、
戦時中の沢村英治や大学の卒業生が助っ人で参加する。
学徒出陣で好きな野球ができなくなってしまった学生たちの思いが
よく伝わった話だった。
不思議な話だったが、女子駅伝や学生野球のスポーツの世界が
リアルに展開するとても読み易く、面白い小説だった。