今から百年以上前、
アメリカのジーンズの青(藍)色の美しさに魅せられた青年の物語。
ちょうど9月1日関東大震災に浅草で被災し、古着のジーンズをプレゼントされた。
孤児になった少女と故郷の岡山に戻り、日本の藍染めとの違いに悩み、
発色の難しさに悪戦苦闘するも、藍色の魅力に憑りつかれてしまう。
恐慌、太平洋戦争を経て様々な関係者との繋がりを経て
戦後となって、やがて日本でもジーンズの人気が出てくる。
長い歴史の変遷も小説の奥深さとなり、感動の物語になっていく。
人の飽くなき情熱のすばらしさが伝わる、いい小説だった。